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 高齢者歯科学II 講義メモ(平成15年度)


講義テーマ 「口腔管理体制とチームアプローチ」 (全2回)            担当:菅 武雄


教科書該当章

 32章 在宅寝たきり者、ナーシングホーム入居者、 入院高齢者の口腔ヘルスプログラム
 33章 高齢患者のヘルスケアについて学際チームで 果たすべき歯科医師と歯科衛生士の役割


1.はじめに

 歯科学を学ぶに際し「高齢者歯科学」というのは、ちょっと特殊な立場から学ぶ事になると思います。
 今までの「縦割り」のカリキュラムではなく、「横割り」とでも言うべき各科を横断するような知識が必要になるからです。

 私達は治療室において、保存処置も補綴処置も行います。簡単な外科処置も行います。いわばGP(一般臨床)とでも言うべき立場で診療にあたっています。

 では、何が他科と異なるのでしょうか?

 一言で言えば、「対象とする患者さんの有する条件が複雑」と言えると思います。

 患者さんの有する「条件」とは何か? どう対応すればよいのか? それを学んで欲しいのです。

2.キーワード紹介

 私の担当する2回の講義の中に出てくる重要単語をまず紹介します。

 要介護高齢者
 介護保険制度
 ライフサイクル
 患者さんのもつ「条件」
 在宅医療 
  「生活」
 歯科訪問診療
  口腔ケア
  終末期医療
  介護保険
  自立支援
  多業種連携

3.在宅医療

「生活の場」での医療  →Keyword 「生活」

在宅(生活の場)
施設
 特別養護老人ホーム(生活の場)
 老人保健施設(リハビリの場)
 医療施設(医療の場)

患者さんがもっている通院条件の中の「通院困難」という条件を考えよう.

 患者の有する種々の「条件」を加味して診療を組み立てるのが我々の仕事.しかし,歯科は外来診療を中心に発展してきた経緯があり,「通院困難」という条件を加味するのが遅れていると言える.患者さんは歯科診療所に来る,という先入観がないか?
 →Keyword 「条件」

4.往診と訪問診療

 「通院困難」という条件を有する患者に対する歯科医療には,現状で4つの選択肢があると言える.これは制度的な分類にはなっておらず,いわば理論上,もっと言えば理想の分類であると言える.(ここは注意が必要。ただし、医科では厳密に区別している)
 これらは「選択肢」としてとらえ,組み合わせることに価値がある.

 ・通院困難な患者に対する歯科診療システム
  外来診療←(搬送)
     往診→
  訪問診療→
  入院   ←(搬送)

 ・往診と訪問診療
 現状では,歯科において往診と訪問診療を制度上分けて考えることはない.しかし,医科では明確に分類されており,往診と訪問診療を分けて考えることで,問題が明確になると思う.歯科の現状では,街中で行われている診療の大半が「往診」であり,「訪問診療」の理念や技術は十分に患者さんたちに提供されているとは言えない.

   往診と訪問診療の違い

往診 訪問診療
依頼があったときのみ行われる 長期的な医療計画に基づいて行われる
外来診療の延長線上に位置する 外来診療・入院とは異なる診療体系

5.訪問診療の問題点

1.器材
 1) 準備
 2)運搬
 3)設置
 4)診療
 5)消毒

2.衛生面
 1)衛生レベル
 2)感染症患者
 3)ディスポ製品

3.安全面
 1)全身状態
  医療情報収集
  医療面接
  主治医照会
  服薬確認
  モニタリング
 2)器材

6.制度の中での歯科医療(特に介護保険制度)

 歯科は2つの制度にまたがっている.医療保険制度介護保険制度である.

・介護保険制度の中で歯科(歯科医師)のもつ役割は以下の3点が重要である.
1)介護支援専門員(ケアマネージャ)として
2)介護支援事業者として
3)介護認定審査委員として

・歯科が介護保険制度の中で受け持つ項目は1項目.それは「居宅療養管理指導」である.

→Keyword
 「居宅療養管理指導」

特定疾病を知っておこう.

7.居宅療養管理指導の内容は?

8.介護における口腔ケアとは?

9.口腔ケアの意味

10.歯科専門職による口腔ケア

・器質的口腔ケア
・機能的口腔ケア

11.高齢者を支える専門職

主な専門職
主な業務内容
介護支援専門員(ケアマネージャ) 訪問調査、ケアプラン作成
医師 医療.身体面の医学管理,指導
看護師 看護.医療処置
歯科医師 歯科医療.歯科医学的管理指導
歯科衛生士 口腔衛生(口腔ケア,リハビリテーション)
理学療法士(PT) 理学療法(リハビリテーション)
作業療法士(OT) 作業療法(リハビリテーション)
言語聴覚士(ST) 言語訓練(リハビリテーション)
義肢装具士 義肢装具製作適合
薬剤師 調剤.服薬指導
管理栄養士 栄養指導
介護福祉士 身体的介護,介護指導
社会福祉士(ソーシャルワーカー) 福祉に関する相談・援助・指導
訪問介護員(ホームヘルパー,ワーカー) 介護,家事,相談
保健師 保健指導,相談
臨床心理士(カウンセラー) 心理療法.相談指導
視能訓練士 視能回復訓練

 
12.介入の理論とは?

 

★何かご質問あれば,いつでもメールをください.菅 武雄 suga-t@tsurumi-u.ac.jp

2002年9月に,本を出しました.「口腔ケアハンドブック」という本です.ヘルパーさん向けの本ですが,学生諸君にも参考になるような内容だと思います.副読本にどうぞ.(宣伝)


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